【楠】のはなし②
こんにちは。
前回に引き続き【楠】のお話です。
【楠】は本州西部の太平洋側、四国、九州に広く分布しています。特に九州に多く自生し、内陸部まで広がっています。
『奇(くす)しき木』が語源で、寿命が長く霊の宿る神秘的な木とされています。
全体に香りがありそれが持つ防虫効果から、元来虫除け(魔除け)に使われたくす玉(楠玉)の語源ともいわれています。
ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、ジブリ映画の『トトロ』にも登場します。
また、虫害や腐敗に強いため、古来より仏像や船の材料としても利用されてきました。
たとえば、有名な法隆寺の百済観音がそのひとつです。
葉をつける密度が非常に高く葉の厚みもあるため、現在では交通騒音低減のために街路樹として活用されることも多くなっています。
もともと人の入らないような山奥よりも人里近くに自生する場合が多く、特に神社仏閣に生えた巨木は「御神木」として地域の人々に愛されてきました。
佐賀県内では武雄の大楠や川古の大楠が有名ですが、佐賀市与賀町の與賀神社(与賀神社)にも、
昭和40年に県の天然記念物に指定された樹齢千四百年超と伝えられる楠の巨木があります。
「根回り 25m50cm、枝張り 東西37m、南北25m、幹の中に、地上5mのところから枝分かれ枝葉が繁茂しており、六畳敷余りの空洞があるが、樹勢は旺盛で樹相は優美であり、県内における代表的な楠の巨木として価値が高い」
と県の指定書に記されています。
この堂々とした風格に、見入ってしまいますね。
佐賀駅から車で10分ほどですので、みなさま一度訪ねてみられてはいかがでしょうか。
次回は、佐賀県内の【楠】について、もうすこしふれてみたいと思います。
今回、写真の使用を快く承諾してくださいました与賀神社様、誠にありがとうございました。